業者はまず販売価格を決めて建物のコストを下げる!
「そうは言っても、あまりに高い価格を設定したら
売れないのではないか」と、一般の方は思うでしょうね。
なるほど、「いくらなら売れるか」という分析を無視して、
価格設定をしているはずがないのは確かです。
いくら新築マンションであっても、
3500万円でしか売れないマンションは、
3500万円でしか売れないのです。
しかし、そこにもカラクリが隠れていますよ。
マンションには、「建物」という、
土地とは別のコストが、かかるものが付随しています。
ですから、仮に1部屋に、3500万円でしか売れないマンションを作るのであれば、
10%から25%という利益率を確保するために、
建物部分のコストを下げに行くという行動を、デベロッパーとしてはとるわけです。
例えばですが、風呂桶の価格にはものすごい幅がありますが、
見た目が良くて、価格が安いものを選びにいきます。
洗面台、鏡、シャワー、ガス台、エアコン、
その気になれば、節約できる所は山のようにあるのです。
「欧州一流メーカー何々システム・キッチン」
「水周りは、米国の・・・」と宣伝に書いてあったら、
十中八九、その中で最高級のものは使っていません。
それどころか、みなさんが自分でお金を払って買うランクよりも、
ずいぶん下のものを使っているケースが多いでしょう。
壁紙や床材も同じで、あれは安くしようと思えば、とことんまで安くできますから
それなりの節約ができます。
「マンションを買いたい!でも、3000万円しか払えない」という買い手がいた場合、
デベロッパーの側は、備品などの質の高さにこだわってもしょうがありません。
買い手が買いそうな価格をみつけておいて、
コストを下げることによって、自らの利益率を確保する事が目標になるのです。
そもそも、新築分譲マンションの価格なんて、
「このくらいで売れるだろう」という目算と、
デベロッパーがいくら儲けたいかによって決まっているのです。